企業・ビジネス戦略

NVIDIA vs Intel|AI戦略と成長力を比較

青い世界地図に黄色のネットワーク線と赤い上昇矢印を重ね、「AI半導体 勝つのはどっち?」と中央に表示されたデザイン

AIや半導体の話題になると、必ず名前が出てくるのがNVIDIAとIntelですよね。

どちらも大企業ですが、進んでいる方向や戦い方はまったく違います。今回はこの2社を「戦略」と「成長性」という視点で比較してみましょう。

先に結論をお伝えすると、今のところリードしているのはNVIDIAです。ただしIntelも黙ってはいません。GaudiやXeonなど、新しい武器を用意して巻き返しを狙っています。

GPU・CPU・AIアクセラレータって何?

まずは基本から。GPUはグラフィック処理を得意とするチップで、画像やAIの計算を高速にこなします。並列処理に強く、NVIDIAの得意分野です。出典:IBM

一方のCPUは、幅広い計算に対応できる万能型のチップ。Intelの代表的な製品ですね。GPUほどではありませんが、さまざまな場面で活躍します。

AIアクセラレータは、AIの計算に特化した専用チップ。IntelのGaudiがその代表で、もともとはHabana Labsという会社の技術です。出典:Intel

NVIDIAとIntel、それぞれの歩み

NVIDIAはもともとゲーム向けのGPUメーカーでした。でも2006年にCUDAという開発環境を作ったことで、AIや研究分野でも使われるようになります。出典:NVIDIA

そしてAI需要が高まった2010年代後半、NVIDIAは一気にデータセンター分野へ。NVLinkやTensorRTなどの技術を活かし、AIのプラットフォーム企業へと進化しました。出典:NVIDIAブログ

一方のIntelは、AI分野では少し後発です。MovidiusやHabana Labsを買収して攻めの姿勢を見せましたが、統合に時間がかかりました。OpenAIとの関係を築けなかったのも、痛手となったようです。出典:Reuters

今どんな製品が使われている?

NVIDIAは2024年に「Blackwell」という最新のチップシリーズを発表しました。B200やGB200という名前のチップで、Grace CPUと組み合わせて使われます。生成AIにぴったりな設計です。出典:NVIDIA

AWSやGoogleなどのクラウド企業は、NVIDIAのチップをどんどん導入しています。CUDAとライブラリがセットになっていて、すぐに使えるのも魅力です。出典:NVIDIA

一方でIntelも負けていません。「Gaudi 3」という新チップを発表し、大規模AIモデルに対応。電力効率や価格の面でも注目されています。出典:Intel

また、Xeon 6というCPUも投入し、AI処理との組み合わせで幅広い活用を狙っています。出典:Intel

開発環境はどっちが使いやすい?

NVIDIAの強みは、なんといってもCUDAという開発環境。AI向けのソフトやツールがそろっていて、研究から本番運用まで一貫して使えます。出典:NVIDIA

Intelは「oneAPI」という開発環境を提供しています。CPU・GPU・FPGAをまとめて開発できるのが特長ですが、まだ普及には時間がかかりそうです。出典:oneAPI

AMDも頑張っています。MI300シリーズやROCmというソフトで、AI市場に挑戦中です。ただ、総合的な開発環境ではNVIDIAが一歩リードしています。出典:AMD ROCm

収益と成長力の違いとは?

NVIDIAは今、AIサーバー向けのチップで急成長中です。2025年初めの売上は、なんとIntel+AMDの合計を超えました。出典:Yahoo!Finance

CUDAやTensorRTを活用した一貫運用が、利益にもつながっているようです。出典:NVIDIA IR

Intelも再編を進めています。CPUはまだまだ強いですが、AI関連では実績作りが課題です。出典:Intel

今後のカギを握るのは?

NVIDIAにとって大事なのは、安定した供給体制と次の製品の投入スピードです。TSMCとの連携も注目ポイントです。

Intelは、Gaudiシリーズの実績がカギになります。特に価格と電力効率の良さを活かして、導入事例をどれだけ増やせるかがポイントです。

IntelのCEOも「追いつくのは簡単じゃない」と話していますが、巻き返しのチャンスがないわけではありません。出典:Tom’s Hardware

FAQ

なぜNVIDIAはAIで強いの?

CUDAやTensorRTがそろっていて、開発から本番まで同じ環境で使えるからです。多くの企業や研究機関に選ばれています。

Intelはどうやって巻き返すの?

Gaudiの価格や省電力性能が強みです。特に推論向けの案件で採用が進めば、可能性はあります。

投資で見るべきポイントは?

データセンター向けの売上と、四半期ごとの成長ガイダンスが重要です。市場の注目度が高い分野です。


まとめ|今はNVIDIA優勢。でも勝負はこれから

現時点では、NVIDIAがAI分野をリードしています。理由は技術だけでなく、開発環境や導入のしやすさにもあります。

とはいえ、Intelの巻き返しも本格化しています。GaudiやoneAPIがどこまで広がるかによって、勢力図が変わる可能性もあります。

今後の動きを見ながら、投資やビジネスのヒントを見つけていきましょう。

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NVIDIAウォッチ編集部
NVIDIAに特化した最新ニュースと株価分析をお届けするブログ「NVIDIAウォッチ」を運営。AI半導体、GPU、データセンター、業績速報など、投資家とテックファンのための情報を毎週発信中。NVIDIA株の見通しやイベント速報もタイムリーに解説しています。