NVIDIAの株価はAIブームの象徴として急上昇しています。
一方で「PERは割高なのか?」「株式分割後の推移は?」といった疑問を持つ投資家も多いでしょう。
本記事では2025年9月時点の株価とPERの推移を整理し、投資判断に役立つポイントを一次情報を交えて解説します。
PERとは?NVIDIA株を分析する上での基本
PER(株価収益率)は「株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)」で算出されます。
直近12か月の実績値を基にした「TTM(trailing twelve months)」と、今後の予想EPSを使う「フォワードPER」があります。
2025年9月21日時点のNVIDIA株は、TTM PERが約52倍、フォワードPERは約39倍です(出典:Macrotrends、Reuters)。
高成長株は「TTM>フォワード」になる傾向があり、EPS成長を市場が織り込んでいる証拠といえます。関連記事:NVIDIA株価の歴史
株価とPER推移の歴史:分割と決算の転機
NVIDIAはAI需要の爆発で2023年以降に急成長しました。
2024年6月10日には10対1の株式分割を実施(権利確定6月6日)。個人投資家の参入が容易になり、流動性が高まりました(出典:NVIDIA公式発表)。
2024年度 第4四半期(2024年2月発表)では売上221億ドル、EPS 4.93ドル。
2025年度 第1四半期(2024年5月発表)は売上260億ドル、EPS 5.98ドル。
そして2026年度 第2四半期(2025年8月発表)には売上467億ドルに到達し、PERの高さを裏付ける業績が出ています(出典:NVIDIA IR)。関連記事:もし10年前にNVIDIA株を買っていたら?
最新の活用事例:生成AI需要が株価を押し上げる
NVIDIAの成長を支えるのはデータセンター事業です。
2025年度 第2四半期のデータセンター売上は411億ドルで、前年同期比+56%と驚異的な伸びを示しました(出典:NVIDIA Newsroom)。
Microsoft、Amazon、Google、Metaなどのハイパースケーラーが主要顧客で、Blackwell世代GPUの投入により単価・性能が向上しました。
また産業界・医療・ロボティクスでも導入が拡大しており、生成AI需要が株価の強力なドライバーになっています。
AMD・Intelと比較したPER水準
2025年9月時点のフォワードPERはNVIDIAが約39倍、AMDが約40倍。
一方、Intelは利益減で180倍超となり、割安感はありません(出典:Reuters)。
TTMベースではNVIDIAが52倍、AMDが58倍。
粗利率やソフト資産(CUDA vs ROCm)を加味すれば、NVIDIAの優位は依然揺るぎません。
関連記事:NVIDIA株価予想|今後の見通し
収益性と投資家視点での評価
2026年度 第2四半期の売上は467億ドル、データセンターだけで411億ドル。
高粗利と営業レバレッジによりEPSが急伸し、フォワードPERが低下する「成長で消化できる高PER」構造です。
2025年6月25日には時価総額が3.76兆ドルに到達し、世界有数の企業価値を記録しました(出典:Reuters)。
関連記事:CUDAとは?NVIDIAのAI戦略の核
今後の見通しと注目ポイント
2025年8月の決算では「Blackwellの立ち上がり順調」と評価されました。
一方で金利動向やマクロ要因によるバリュエーション圧縮リスクもあります。
市場では「フォワードPER30〜40倍×高EPS成長」が維持されるかが注目点です。
また2025年9月にはIntelへの50億ドル出資報道もあり、サプライチェーン連携が焦点になっています(出典:Reuters)。
よくある質問(FAQ)
NVIDIAのPERは本当に割高?
結論:フォワードPERは約39倍で、急成長を踏まえると極端に割高ではありません。理由はEPSが急増しているためです。例えば2026年度 第2四半期ではEPSが過去最高を更新。つまり、成長でPERを消化できる構造です。まとめると「成長期待のプレミアム」と位置づけられます。
株式分割はいつ行われた?
結論:2024年6月10日に10対1の株式分割が実施されました。理由は流動性向上と投資家層の拡大です。事例として個人投資家の参入が増えました。まとめると「投資家にやさしい施策」です。
主な収益源はどの事業?
結論:最大の収益源はデータセンター事業です。理由は生成AI需要の拡大。実例として2025年度 第2四半期は411億ドルを売り上げました。まとめると「AIインフラがNVIDIAの柱」です。
まとめ:NVIDIA株価とPERの見方
2025年9月時点でNVIDIAはTTM PER約52倍、フォワードPER約39倍。
一見高く見えますが、EPS成長に裏付けられた「プレミアム評価」です。
株価分析ではPERだけでなく、業績・競合比較・マクロ環境も併せて判断することが重要です。
今後の注目はBlackwell世代の普及と、AI需要の持続力にかかっています。