「10年前にエヌビディア株を買っていたら、今いくらになっているのか?」
半導体ブームとAI需要が重なり、同社の株価は驚異的な伸びを見せてきました。
本記事では、調整後株価を用いた正確な比較と、もし1,000ドルや10万円を投資していた場合のシミュレーションを行います。
また、株式分割履歴や競合との比較も交え、NVIDIA株の成長を体系的に解説します。
【What】株価比較に使う「調整後終値」とは?
「10年前との比較」を行う際は、必ず株式分割や配当を反映した「調整後終値(Adjusted Close)」を使用します。分割を考慮しないと、実際のリターンと乖離してしまうためです。
例えば、NVIDIAは2021年に4-for-1、2024年に10-for-1の株式分割を実施しました。そのため、2015年の1株当たり価格をそのまま比較すると誤解を招きます。
調整後終値は、分割で株数が増えた分を株価に反映させ、さらに配当も再投資した前提で算出されるケースが多いです。この方式を使うことで、過去から現在までの実質的な投資パフォーマンスを正しく測定できます。出典:Nasdaq ヒストリカル株価
【History】株価成長を支えた背景と分割履歴
NVIDIAはこれまでに6回の株式分割を行ってきました。
- 2000年9月:2-for-1
- 2001年9月:2-for-1
- 2006年4月:2-for-1
- 2007年9月:3-for-2
- 2021年7月20日:4-for-1
- 2024年6月10日:10-for-1
特に2024年の10-for-1分割は、AIブームで株価が急騰したことを受け、個人投資家の参加を促す狙いがありました。
分割履歴を踏まえてチャートを調整すると、2015年から2025年にかけて株価は200倍以上に成長したことが分かります。エヌビディア株価チャート徹底解説|10年の成長率と転換点でも詳しく整理しています。
【Case】もし10年前に投資していたら?実際のシミュレーション
2015年の年末調整後終値は$0.8041(Macrotrends)。
2025年9月19日時点の調整後終値は$176.60。
倍率は約219.7倍に達しました。
計算式は以下の通りです。
株数 = 投資額 ÷ 基準日の株価 評価額 = 株数 × 現在株価
例:$1,000を2015年に投資した場合
株数 = 1000 ÷ 0.8041 ≒ 1,244株
評価額 = 1,244 × 176.60 ≒ $219,690
つまり10年前に$1,000投資していたら、約22万ドル(約3,200万円・$1=145円換算)になっていた計算です。出典:Macrotrends 長期株価データ
関連記事として、過去比較をさらに掘り下げたエヌビディア株価10年前との比較|もし投資していたら?も参考になります。
【Versus】AMDやIntelと比較した場合
同じ半導体大手であるAMDやIntelと比べると、NVIDIAのリターンはこの10年で圧倒的です。
- AMD:長期で大幅上昇(おおむね数十倍規模)
- Intel:横ばい〜微増
- NVIDIA:概ね220倍規模
特にAI向けGPU市場での優位性が、他社との差を広げる主要因となっています。
【Value】収益力の変化と投資家目線での評価
NVIDIAは2025年第2四半期(FY26 Q2)で売上高$46.7B、GAAP粗利率72.4%を記録しました。
データセンター部門だけで$41.1Bを稼ぎ出し、AI需要が収益の柱となっています。
配当は分割後ベースで$0.01/四半期と極めて小さく、内部投資を優先する姿勢を示しています。これは高成長企業らしい資本政策と言えるでしょう。
【Future】今後の株価に影響する要素
10年で200倍以上に成長したNVIDIAですが、今後も同じペースで成長する保証はありません。
主な注目点は以下の通りです。
- AI需要が持続するか
- TSMCの先端パッケージング供給能力
- 米中間の規制リスク
- AMDなど競合の追随
投資家にとって重要なのは「過去のリターンにとらわれず、今後のシナリオを冷静に評価する」ことです。
長期的なシナリオは、記事エヌビディア株価10年後予測|AI勝者かバブル崩壊かで詳しく分析しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. NVIDIA株を10年前に買っていたら本当に200倍以上ですか?
はい。2015年の調整後終値$0.8041から2025年9月の$176.60まで、約219.7倍になっています。$1,000投資なら約22万ドルに成長した計算です。
Q2. 円換算でどのくらいのリターンですか?
為替レートにより変動しますが、1ドル=145円換算なら$219,690は約3,200万円です。為替の影響を加えると、実際のリターンは米ドル建てと差が出ます。
Q3. 今からでも投資する価値はありますか?
結論として「可能性はあるが慎重に」です。AI需要は強く、NVIDIAの収益力は高いです。しかし、規制リスクや競合の台頭もあるため、分散投資が望ましいです。
まとめ|NVIDIA株価10年の成長と今後の視点
NVIDIA株はこの10年で200倍以上に成長し、もし投資していたら莫大なリターンとなっていました。
ただし、このリターンは過去の実績であり、今後同じ成長が続く保証はありません。AI需要・規制・競合の動向を見極め、冷静な判断が求められます。
投資家は「歴史から学び、未来を考える」姿勢を持つことが重要です。長期視点は10年チャートの転換点や10年後予測で確認できます。