NVIDIA vs オラクル|クラウドAI基盤をめぐる提携と競争を解説します。GPU供給の巨人エヌビディアと、クラウドを急拡大するオラクル。両社は提携と競争を同時に進め、AI時代の主導権を争っています。本記事では技術・株価・提携の歴史を整理し、投資家が注目すべきポイントをまとめます。
用語の意味と基本解説
エヌビディアは1993年設立の米国企業で、GPUとAIソフト群(CUDA、NVIDIA AI Enterpriseなど)を提供します。近年はデータセンター収益が急拡大し、世界的なAI需要を牽引しています。
一方、オラクルは1977年創業で、データベースと業務アプリケーションで有名です。現在はクラウド基盤「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」を拡大し、AI訓練向けにGPUを大量導入しています。
両社は2024年3月に「Sovereign AI」構想で連携を発表し、2025年も統合を強化しています。出典:NVIDIA Newsroom
エヌビディアとオラクルの技術・製品ポジション
OCIは最新GPU「GB200 NVL72」「Blackwell B200」を採用し、最大13万GPU規模のスーパーコンピュータ級クラスタを提供します。NVIDIAのDGX CloudやNIMマイクロサービスもOCI上で利用可能となり、開発者はクラウドから直接AI基盤を構築できます。
一方で、AWSやAzureも同様にH100/H200を展開しており、OCIは「性能と価格効率」で差別化を図っています。出典:Oracle Blog
提携・協力・競争の関係史
2023年、OCIはDGX Cloudを最初にホストするクラウドとなり、エヌビディアとの協業が本格化しました。2024年には「Sovereign AI」で国ごとのデータ主権を尊重するAI構築を共同発表。2025年にはGB200 NVL72をOCIで一般提供し、さらに統合が進みました。
ただしAWSやAzureともエヌビディアは協業しており、オラクルは「独占」ではなく「競争と共存」の関係です。出典:Reuters
株価・業績の比較(投資家視点)
2025年8月発表の2026年度第2四半期決算で、エヌビディアは売上466.7億ドル、うちデータセンターが411億ドルと前年比+56%の成長でした。
オラクルは2025年9月の2026年度第1四半期決算で売上149億ドル、クラウド売上72億ドル(+28%)。RPO残高も4,550億ドルと高水準で、長期契約が増えています。
両社の株価はAI需要を背景に高値圏で推移しており、投資家からも注目度が高い状況です。出典:Yahoo!ファイナンス
強みと弱みの比較
オラクルの強みは大規模GPUクラスタを素早く導入できる拡張性と、OpenAIなど大口顧客案件を獲得した実績です。弱点は巨額投資と資金負担、AWSやAzureとの総合サービス競争です。
エヌビディアの強みはBlackwell世代GPUとGB200の供給力、CUDAやAIソフト群のエコシステムです。弱点は米中規制や需要循環リスク、特定顧客依存が挙げられます。
この視点は、以前の比較記事「NVIDIA vs シーゲイト」でも共通の論点として整理しました。
今後の見通しと投資家が注目すべきポイント
今後、オラクルは「Stargate計画」で米国内にAIデータセンターを5拠点追加し、総計7GW規模へ拡張します。エヌビディアはBlackwell GPUの量産供給を進め、各クラウドに展開します。
投資家が注目すべきは、(1)クラウドごとのGPU確保競争、(2)Sovereign AIの普及、(3)米中規制リスクの影響度です。
関連記事として「エヌビディア株価予測|短期・中期・長期シナリオ」や「NVIDIA vs パランティア」も参考になります。
FAQ
NVIDIAとオラクルの提携は独占的ですか?
いいえ。エヌビディアはAWSやAzureとも提携しており、オラクルとの関係は「強固だが非独占」です。
Oracle Cloudの強みは何ですか?
大規模GPUクラスタの構築が早く、コスト効率の高いスケーリングが可能な点です。
投資家にとっての注目点は?
GPU供給の安定性、Stargate計画の進展、米中規制リスクへの対応が重要です。
まとめ
NVIDIAとオラクルはAI時代のパートナーであり競合でもあります。GPU供給とクラウド拡張を組み合わせ、両社は市場の急拡大をリード中です。投資家はクラウド別のGPU確保競争や規制動向に注目すべきでしょう。
関連記事「NVIDIA株価分析2025」や「エヌビディア株価とAIバブル」も参考にしてください。