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2026年度第2四半期(2025年5月〜7月期)のエヌビディア(NVIDIA)決算が発表されました。
売上は467億ドル、前年同期比+56%と過去最高を更新し、AIデータセンター需要の強さを改めて示しています。
一方で、中国向けH20販売停止などの規制リスクや、ガイダンスへの「サプライズ不足」を懸念する声もあり、発表後の株価は一時的に調整しました。
この記事では、「NVIDIA決算をざっくり把握したい投資家」向けに、売上・利益・データセンター・株主還元・今後の見通しをコンパクトに整理しつつ、投資判断にどう結びつけるかまで解説します。
NVIDIA決算の基本指標と用語整理
まずは今回の決算でよく出てくる用語と数字を整理しておきます。
NVIDIAは米国企業のため、決算は米国会計基準(GAAP)と調整後指標(Non-GAAP)の2種類を公表します。
2026年度第2四半期の主な指標は次の通りです。
- 売上高:467億ドル(前年同期比+56%、前期比+6%)
- GAAP粗利率:72.4%
- Non-GAAP粗利率:72.7%
- GAAP希薄化後EPS:1.08ドル
- Non-GAAP希薄化後EPS:1.05ドル
Non-GAAP値は、在庫評価や株式報酬など「本業の持続的な稼ぐ力を測るうえでノイズになりやすい項目」を調整したものです。
投資家は、短期のボラティリティを見るならGAAP、トレンドを見るならNon-GAAP、というイメージで両方をチェックするとバランスが取りやすくなります。
また、セグメントは大きく以下の5つに分かれます。
- データセンター(AIサーバー・GPU・ネットワーク)
- ゲーミング(GeForceなどPC向けGPU)
- プロフェッショナルビジュアライゼーション(ワークステーション向け)
- 自動車(自動運転・車載向けプラットフォーム)
- OEM/その他
決算書の読み方そのものを深掘りしたい場合は、より専門的に解説しているこちらの記事も参考になります。
→ NVIDIAの決算書を読む|2026年度第2四半期の全貌とAI事業分析
2026年度第2四半期決算ハイライト|売上と利益の全体像
今回の決算の一番の特徴は、売上・利益ともに過去最高を更新しながらも「成長ペースの鈍化懸念」が同時に意識された点です。
売上467億ドルのうち、データセンターが約411億ドル(全体の約88%)を占めます。AIサーバー向けGPUとネットワーク製品が引き続き伸び、特にBlackwell世代の出荷が本格的に寄与しました。
一方で、粗利率は高水準を維持したものの前年からはやや低下しました。
中国向けH20販売停止に伴う在庫評価の影響があったためで、在庫の一部を中国以外の顧客へ出荷することで1億8,000万ドルの在庫戻入が発生しています。
それでもNon-GAAP粗利率は72.7%と、一般的な半導体メーカーと比べると依然として異次元の水準です。
「AIアクセラレータ+NVLink+ネットワーク+ソフトウェア」で構成されるプラットフォーム型ビジネスが、高い収益性を支えています。
決算数字の背景にあるAI工場構想を押さえておきたい方は、こちらも合わせて読むと全体像をつかみやすくなります。
→ NVIDIAのAI工場構想とは?次世代半導体産業の中核を解説
データセンターとBlackwell|AIサーバー需要が牽引
今回の決算の中心は、やはりデータセンター事業です。
売上は411億ドルで前年同期比+56%、前期比+5%と高成長を継続しました。
特に注目されているのが、次世代アーキテクチャであるBlackwellと、その上位版にあたるBlackwell Ultraです。
Blackwellベースのデータセンター売上は前期比+17%と急速に立ち上がっており、AIファクトリーを構築したいハイパースケーラーや大企業からの注文が殺到しています。
生成AI・エージェントAIのトレーニングと推論を1つのプラットフォームでこなす需要が高まっており、NVIDIAはGPUだけでなく以下のような周辺技術もセットで提供しています。
- GPU同士を高速接続するNVLinkラックスケールコンピューティング
- データセンター向けネットワーク製品(Spectrum-Xなど)
- CUDAやNIMなどのAIソフトウェアスタック
この「フルスタック戦略」が、単にGPUを売るだけのライバルとの差別化要因になっています。
AIサーバー市場全体におけるNVIDIAの支配力を整理したい方は、こちらの記事もおすすめです。
→ AIサーバー市場のNVIDIA支配力|2020〜2025徹底分析
ゲーミング・自動車などその他セグメントの動向
AIデータセンターが主役であることは間違いありませんが、その他セグメントも決して無視できません。
2026年度第2四半期の主なポイントは次の通りです。
- ゲーミング:43億ドルで前年同期比+49%
- プロフェッショナルビジュアライゼーション:6億100万ドルで+32%
- 自動車:5億8,600万ドルで+69%
ゲーミングでは、Blackwell世代のRTX 50シリーズ(RTX 5060など)が好調で、4KゲームとAIアップスケーリング(DLSS)を組み合わせた高画質・高フレームレート体験が支持されています。
自動車分野では、自動運転向けSoCや車載AIプラットフォームの採用拡大が続いており、長期的な成長ドライバーとして存在感を増しています。
AIビジネス全体の位置付けを把握したい場合は、こちらもおすすめです。
→ NVIDIAのAI戦略を徹底解説|GPUロードマップと株価分析
競合比較|AMD・Intelとのギャップはどれくらいか
次に、同じくAI・データセンターを重視するAMDとIntelと比較して、NVIDIAのポジションを整理します。
AMDの2025年第2四半期決算では、売上が77億ドル、うちデータセンター部門は32億ドルでした。
数値だけを見ると、データセンター売上の規模はNVIDIAの約1/13程度であり、AIサーバー向けGPU・プラットフォームの分野ではNVIDIAが圧倒的リードを維持していることがわかります。
一方のIntelは、2025年第2四半期にデータセンター&AIグループの売上が約39億ドルと報告されており、こちらもNVIDIAに対して大きな開きがあります。
AMDもIntelも、CPUや一部のAIアクセラレータでは競争力を高めているものの、「GPU+ネットワーク+ソフトウェア+エコシステム」をフルスタックで提供するNVIDIAのビジネスモデルとは構造的な違いがあります。
現時点では、AIデータセンターのプラットフォームビジネスという意味でのライバルはまだいないと言ってよいでしょう。
競合との比較をより広く知りたい場合は、以下の記事も参考になります。
→ エヌビディア株価とライバル比較|AMD・Intelとの成長力分析
→ NVIDIA vs Intel|AI半導体覇権の行方と投資判断【2025年版】
NVIDIA決算を投資行動につなげるには?
ここまで見てきたように、NVIDIAはAIデータセンター分野で圧倒的なポジションを維持しています。
そのため、中長期でAIインフラ成長を信じる投資家にとって、主力候補になりやすい銘柄と言えます。
とはいえ、実際にNVIDIAや半導体関連ETFへ投資するには、まず証券口座の準備が欠かせません。
特に日本から米国株・半導体ETFに投資する場合は、「取引コスト」「ツールの使いやすさ」「情報量」などを総合的に見て証券会社を選ぶことが重要です。
たとえば松井証券なら、米国株の最低手数料が抑えられており、1株からの少額投資や新NISAとの組み合わせもしやすく、「まず試してみたい」個人投資家との相性が良いというメリットがあります。
実際に半導体セクターへ投資してみたい方は、この決算をきっかけに、まずは口座開設から一歩踏み出してみるのも選択肢です。
実際に投資を始めたい方は、まず証券口座の準備が第一歩になります。
NVIDIA株の具体的な買い方や少額投資の始め方は、こちらの記事でステップごとに解説しています。
→ 初心者でもできるNVIDIA株の買い方完全ガイド|1株投資でAI時代に参加しよう
株主還元とバランスシート|長期投資家が見るべきポイント
長期投資家にとって重要なのが、キャッシュ創出力と株主還元方針です。
2026年度第2四半期の営業キャッシュフローは154億ドル、現金・現金同等物と有価証券は合計で568億ドルに達しています。
株主還元では、四半期中に約97億ドルの自社株買いと2億4,400万ドルの配当を実施しました。
さらに取締役会は600億ドルの追加自社株買い枠を承認しており、高い成長投資と株主還元を両立する姿勢を打ち出しています。
AI投資ブームの中で株価は大きく上昇してきましたが、潤沢なキャッシュと継続的な還元方針は、長期目線の投資家にとって大きな安心材料と言えます。
長期投資の観点からNVIDIA株をどう位置付けるかは、こちらの記事も参考になります。
→ エヌビディアは長期投資に向く?配当と成長性を徹底分析
今後の見通しとリスク|2026年度第3四半期ガイダンス
会社側が示した2026年度第3四半期の見通しは、売上540億ドル(±2%)、GAAP粗利率73.3%、Non-GAAP粗利率73.5%です。
数字だけを見ると、引き続き非常に強気なガイダンスです。
しかし市場では「すでに高い期待が株価に織り込まれていたため、ポジティブサプライズは限定的」と受け止められ、決算発表後の株価は時間外で数%下落しました。
今後の主な注目ポイントとリスク要因は次の通りです。
- Blackwell Ultraの量産加速:どこまで供給能力を高められるか
- 中国規制リスク:H20など高性能GPUの輸出制限がどこまで続くか
- AI投資ブームの持続性:クラウド各社の設備投資が減速しないか
- 競合の追い上げ:AMDや独自AIチップを持つビッグテックの動き
特に中国向けH20販売はガイダンスに含まれておらず、規制が続く限りは売上の上振れ余地と同時に不透明要因にもなります。
NVIDIA株の今後のシナリオや株価レンジをもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
→ エヌビディア株価予測|短期・中期・長期シナリオを徹底解説
まとめ|2026年度第2四半期決算から見える投資スタンス
最後に、今回の決算内容を投資家目線で整理します。
- 売上・利益は過去最高を更新し、AIデータセンター需要は依然として強い
- データセンター売上は411億ドルで、AIインフラの「事実上の標準プラットフォーム」の地位を維持
- ゲーミング・自動車など他セグメントも着実に成長し、収益基盤を分散
- 豊富なキャッシュと600億ドル規模の自社株買い枠で、株主還元も強化
- 一方で、中国規制リスクと期待先行による株価ボラティリティには要注意
総合すると、「中長期では依然として強気だが、短期では値動きの荒さを前提としたリスク管理が必要」というのが現時点でのバランスの良いスタンスと言えます。
新規で入る場合も、時間を分散した積立投資や、半導体ETFを併用したポートフォリオ構築が現実的な選択肢になるでしょう。
NVIDIAや半導体セクターを軸にした長期投資戦略を考えたい方は、こちらの記事も参考になります。
→ エヌビディア株価分析2025|AIブーム後の成長性と投資判断
さらに投資やお金の勉強を深めたい方は、書籍で体系的に学んでおくと、決算を読む視点も安定してきます。
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FAQ|NVIDIA決算についてよくある質問
NVIDIAの2026年度第2四半期決算は市場予想を上回りましたか?
結論から言うと、売上・EPSともに市場予想を小幅に上回りました。
理由は、AIデータセンター向けの需要が想定以上に強く、Blackwellプラットフォームの立ち上がりが順調だったためです。
ただし、成長率の鈍化懸念や中国規制リスクも意識され、株価は発表直後に一時的な調整となりました。
まとめると、「良い決算だがハードルも高かった」という評価が妥当です。
データセンター売上は今後も高成長が続くと考えて良いですか?
結論としては、中期的には成長継続の可能性が高いが、四半期ごとの変動には注意が必要です。
理由は、各国・各企業がAIインフラ投資を加速している一方で、設備投資サイクルには必ず波があり、中国規制など外部要因の影響も受けるためです。
そのため、毎四半期の伸び率だけで判断するのではなく、2〜3年スパンでの成長トレンドを重視する視点が重要になります。
今回の決算を受けて、NVIDIA株にはどのような投資スタンスが適切ですか?
結論としては、中長期では買い・短期では慎重というスタンスが現実的です。
理由は、AIデータセンターという成長市場で圧倒的なポジションを持つ一方、株価はすでに高い期待を織り込んでおり、ニュース次第で大きく上下しやすいためです。
具体的には、時間分散での積立投資や、半導体ETFとの組み合わせでリスクを抑えつつ、AI長期成長の果実を取りに行く戦略が有力といえます。