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エヌビディア vs Amazon|クラウドAI競争の勝者は?

世界地図を背景に、回路やAIを象徴するアイコンが配置された未来的な図解。「NVIDIAとAWSの勝者は?」と中央に白字で表示

クラウドAI時代を牽引する2社、エヌビディアとアマゾン(AWS)。どちらがAIアクセラレーター競争の勝者になるのか、多くの投資家や技術ファンが注目しています。本記事では、両社の技術・製品・業績をわかりやすく比較し、投資初心者にも理解できるよう整理します。結論から言えば「用途によって勝者は変わる」というのが現実です。超大規模学習ではNVIDIA、推論やコスト効率重視ではAWSチップが有利といえるでしょう。

用語の意味と基本解説

NVIDIAは1993年設立、米カリフォルニア州サンタクララ本社の半導体企業です。GPUを中心にGrace CPUやCUDAなどのソフトを組み合わせ、加速コンピューティングのエコシステムを構築。2024年3月には次世代「Blackwell」アーキテクチャを発表しました。

Amazon Web Services(AWS)は1994年設立、ワシントン州シアトル本社のAmazonのクラウド部門。世界最大のクラウドシェアを誇り、EC2・SageMaker・BedrockといったAIサービスに加え、自社設計チップInferentiaとTrainiumを提供しています。

出典:NVIDIA公式出典:AWS公式

エヌビディアとAWSの技術・製品ポジション

NVIDIAはGPUの最高性能でリードし続けています。H100からBlackwell B200/GB200への進化により、FP8やNVLinkを活用した超大規模学習環境を実現しました。特にGB200 NVL72は72基のGPUとGrace CPUを結合し、ラック単位で提供されます。

AWSは推論用Inferentia2と学習用Trainium2を用意。Neuron SDKでモデルを最適化し、低コストでAIを動かす選択肢を提示します。同時にEC2 P5インスタンスではNVIDIA H100を採用しており、両社の協業も進んでいます。

出典:AWS Inferentia2出典:NVIDIA Blackwell発表

提携・協力・競争の関係史

AWSはNVIDIAと長期的な協業関係を築いてきました。2023年にはH100搭載EC2 P5を発表し、2024年3月にはBlackwellをAWSクラウドで提供することを共同発表しました。一方でAWSはAnthropicに最大40億ドル投資し、自社チップ利用を推進。顧客に「性能最上位のNVIDIA」と「コスパ重視のAWSチップ」という二刀流を提示しています。

出典:NVIDIAニュースルーム出典:Amazonニュース

株価・業績の比較(投資家視点)

2025年8月に発表されたNVIDIAの2026年度第2四半期決算は売上467億ドル、そのうちデータセンターは411億ドルで前年比+56%。一方、Amazonの2025年第2四半期におけるAWS売上は309億ドル(前年比+17.5%)でした。NVIDIAは高マージンの半導体販売、AWSは継続成長のクラウド基盤という構図が続いています。

出典:NVIDIA IR出典:Amazon IR

強みと弱みの比較

NVIDIAの強みは最高性能GPUとCUDAを中心とした強固なエコシステムです。弱みは米中規制や供給制約に影響されやすい点です。

AWSの強みはInferentiaやTrainiumによるコスト削減と、BedrockやSageMakerなど開発環境との統合です。弱みはチップ最適化に時間がかかり、最高性能領域ではNVIDIAに劣る点です。

両社の勝敗は「用途別」で異なることが最大のポイントといえるでしょう。

今後の見通しと投資家が注目すべきポイント

生成AI需要は急拡大しており、超大規模モデル学習には依然としてNVIDIAのBlackwellが主役です。しかし、推論やコスト効率の分野ではAWSのInferentia2やTrainium2が存在感を強めています。投資家にとって重要なのは「顧客企業がどの領域に投資を集中するか」を見極めることです。NVIDIAとAWSは競合でありながら提携パートナーでもあるため、両社の発表を注視することが求められます。

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FAQ

なぜAWSは自社チップを開発しているのですか?

理由はコスト削減と差別化です。汎用GPUを大量に調達するよりも、自社チップで推論や学習を効率化することでクラウド利用料金を抑え、顧客満足度を高めています。

NVIDIAのBlackwellはどんな強みがありますか?

FP8対応やNVLinkによる高帯域接続が特徴です。超大規模モデルの学習に最適化されており、競合他社を圧倒する性能を発揮します。

投資初心者はどちらに注目すべきですか?

短期的にはNVIDIAのGPU需要が業績を押し上げています。一方、中長期的にはAWSの自社チップがどこまで普及するかがカギとなります。

まとめ

NVIDIAとAmazon(AWS)のAIアクセラレーター競争に「絶対的な勝者」は存在しません。超大規模学習ではNVIDIAがリードし、推論やコスト効率ではAWSが優位。投資家にとって重要なのは、両社の強みを理解し、用途や市場動向に応じた判断をすることです。生成AI時代の主役は一社ではなく、複数の企業が役割を分担していく未来が見えます。

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