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NVIDIA vs スーパーマイクロコンピューター|AIサーバー爆売れ

青とオレンジの回路図と地球のデジタル表現を背景に「NVIDIA vs スーパーマイクロコンピューター」と書かれた比較用画像

「NVIDIA vs スーパーマイクロコンピューター(SMCI)」。

AIサーバー需要が爆発的に拡大する中、GPUを握るNVIDIAと、完成品サーバーを量産するSMCIは投資家の注目を集めています。

本記事では両社の技術・業績・提携関係を比較し、投資初心者でも理解しやすい形で整理します。

用語の意味と基本解説

NVIDIAは1993年に米カリフォルニア州サンタクララで設立され、GPUとAIプラットフォームで世界をリードしています。特にデータセンター向けではBlackwell世代のGPU「B200」「GB200」を軸に、AI計算を加速させています。

一方、スーパーマイクロコンピューター(Supermicro, SMCI)は1993年に米カリフォルニア州サンノゼで設立。サーバーやストレージを設計・製造し、NVIDIAの最新GPUを組み込んだ完成品AIサーバーを短納期で提供する強みを持ちます。

つまり、NVIDIAが「チップと基盤」を握り、SMCIが「完成品サーバー」を届ける役割を担っているのです。両社は競合というより、サプライチェーン上で補完し合う存在です。

エヌビディアとSMCIの技術・製品ポジション

NVIDIAのBlackwell GPUは、大容量HBM3eメモリや超高速接続「NVLink」を搭載。最大72基のGPUを1台のシステムとして扱える「NVL72ラック」も発表され、ラック単位でAI処理を行う「AIファクトリー」構想を推進しています。

SMCIはこれらGPUを組み込んだサーバー筐体やラックを量産。液冷対応や電源・配線最適化、800GbEネットワーク対応など、運用現場に必要な設計を担います。2025年9月にはBlackwell Ultra対応サーバーの量産を開始し、さらなる需要を見込んでいます。

製造プロセスを担うのはNVIDIA、システム実装を担うのはSMCI。この分業がAIサーバーの急成長を支えているのです。

提携・協力・競争の関係史

NVIDIAとSMCIは協力関係が深く、NVIDIAが設計するHGX基盤やBlackwell GPUをSMCIが製品化し、顧客に届けています。GTCなどのイベントでは両社が共同で新製品を発表する場面も増えました。

SMCIはDellやHPEとも競合しますが、NVIDIAとの関係は補完的です。最新GPUを最速で市場に届ける「短納期対応力」はSMCIの大きな武器となっています。

株価・業績の比較(投資家視点)

2025年8月発表のNVIDIA決算では、四半期売上が467億ドル、うちデータセンターが411億ドルと全体の約88%を占めました。Blackwell GPUの売上は前期比+17%と伸びています。

一方、SMCIは2025年度第4四半期に売上58億ドルを計上。通期ガイダンスは下方修正されましたが、Blackwell対応サーバー量産で需要を取り込み続けています。ただし粗利率は9.5%とNVIDIAより低く、利益構造に課題を抱えます。

指標 NVIDIA SMCI
四半期売上 467億ドル 58億ドル
データセンター売上 411億ドル 非開示(AIサーバー中心)
直近トピック Blackwell成長+17% Blackwell Ultra量産開始

株価は両社ともAI投資ブームに大きく反応。NVIDIAは高収益・高粗利で安定的に評価され、SMCIはボラティリティの高さが特徴です。

強みと弱みの比較

NVIDIAの強みはGPU市場の独占的地位、CUDAやNVLinkを含む強固なエコシステム、高収益構造です。ただし輸出規制や顧客依存、供給制約といったリスクもあります。

SMCIの強みは短納期でのサーバー提供力、液冷や電源設計のノウハウ、多様な構成の柔軟性です。一方、内部統制の弱点や粗利率の低さ、需要循環によるリスクが懸念されます。

今後の見通しと投資家が注目すべきポイント

両社とも「AIファクトリー」構想の中核を担っています。NVIDIAはチップとプラットフォームを握り続け、SMCIはサーバーの量産力で市場を拡大します。

投資家にとって重要なのは「AI需要の持続性」と「供給制約リスク」。規制や競合の動向を追いながら、両社の補完関係が続くかどうかを見極めることが鍵になります。

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FAQ

SMCIの強みは何ですか?

短納期対応力と液冷などの設計ノウハウです。AIサーバー市場で差別化を実現しています。

NVIDIAとSMCIは競合ですか?

基本的には補完関係です。NVIDIAがGPUを設計し、SMCIがそれを組み込んだサーバーを市場に届けます。

投資家が注意すべきリスクは?

NVIDIAは輸出規制や顧客依存、SMCIは内部統制や粗利率の低さに注意が必要です。

今後の注目ポイントは?

AI需要の持続性と供給能力の確保です。両社の連携がどこまで続くかが重要です。

まとめ

NVIDIAはAIチップの覇者、SMCIはAIサーバー量産の急成長企業。立ち位置は違いますが、両社はAIファクトリー時代を共に支える存在です。

投資初心者は「高収益で安定的なNVIDIA」と「成長性が高いが変動リスクも大きいSMCI」の対比を理解し、自身の投資方針に合わせて判断するのが良いでしょう。

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出典:NVIDIA公式 
出典:Supermicro IR 
出典:Reuters


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