歴史・年表

NV1とは?NVIDIA初代GPUの失敗と成功の原点

1995年に登場したNV1の低迷から、1999年にGeForceとして成功を収めるまでの進化を示した棒グラフと上昇矢印を含むタイムライン図




NV1とは?NVIDIA初代GPUの失敗と成功の原点


NV1・GeForce・GPUの歴史。この3語でNVIDIAの始まりは語れます。

最初の製品はGeForceではなくNV1でした。結果は失敗。

しかし、その挫折がRIVA 128GeForce 256を生み、AI時代の基盤になりました。

要点まとめ

  • NV1は三角形ではなく曲面(QTM)に賭けたが、Direct3D標準化と不一致。
  • 失敗を受け、NVIDIAは標準準拠×高性能へ急転換(RIVA 128)。
  • 1999年のGeForce 256で“T&LのGPU元年”。ブランド確立へ。
  • 投資家視点では「失敗からの学習」が長期成長の出発点。

NV1とは?用語と基本特徴【1995】

NV1(STG2000)は1995年登場のマルチメディアアクセラレータです。

SGS-Thomsonが製造し、Diamond MultimediaがDiamond Edge 3Dとして販売しました。

描画は三角形ではなく、Quadratic Texture Mapping(QTM)を採用。曲面表現に期待が集まりました。

2D/3D描画、オーディオ、ゲームパッド入力を1チップ統合という野心作でした。

出典:NVIDIA公式(企業情報)

なぜNV1は失敗したのか?3つの理由

① 標準不一致:Direct3Dは三角形ポリゴン

MicrosoftはDirect3Dで三角形を標準化しました。

NV1のQTMは互換性に乏しく、開発者支援も得にくい状況でした。

出典:Reuters(技術セクション)

② 統合しすぎ:機能満載がコストと複雑性を増幅

NV1は描画と音声、入力まで統合しました。

差別化は明確でしたが、コストやドライバの複雑性が普及を阻害しました。

出典:Bloomberg(テクノロジー)

③ 時流の見誤り:開発者エコシステム重視の遅れ

ゲーム市場はツールとAPIの生態系が重要です。

NV1はユニークでしたが、開発現場で選ばれませんでした。

この反省が開発者中心のNVIDIAを作りました。

出典:NVIDIA公式(GeForce News)

用語早わかり|QTMとT&Lのちがい

QTM:曲面を数式で滑らかに表す手法です。高品質ですが当時は非主流でした。

T&L:頂点の変換と光源処理をハードで担当する仕組みです。GeForce 256が実装し、負荷を大きく軽減しました。

反省からの転換:RIVA 128 → GeForce 256

NV1の反省を受け、NVIDIAはNV2を中止しました。

1997年、Direct3DとOpenGLに準拠するRIVA 128を投入。性能と互換を両立し、評価を獲得します。

1999年、GeForce 256がT&Lを実装。ここで「GPU」の概念が確立し、ブランドも確立しました。

投資を始める第一歩としておすすめの証券口座はこちら。




投資判断:NV1から学ぶ「負け方」の価値

  • 標準に学ぶ:業界標準を見極める力が競争力を決めます。
  • 素早い転換:戦略転換の速さが生存率を高めます。
  • 開発者最優先:開発者体験の最適化は長期の護城河になります。

NV1の失敗はNVIDIAの企業文化を鍛えました。

その後のCUDA、AI、データセンター事業にも思想が受け継がれています。

NV1と同時代の競合:何が違ったのか

当時はS3 ViRGE、Matrox Mystique、ATI Rageが主流でした。

彼らは三角形×DirectXの路線に乗りました。

NV1は独自路線を選びました。差別化は強いが、標準化に負けました。

さらに深掘り:GeForceの進化と株価の関係

GeForce 256以降、GeForceブランドはゲームとAIの両輪で進化しました。

株価面では製品革新と市場拡大が連動し、長期の評価につながりました。

出典:Reuters(2025年)
出典:Bloomberg(2025年)
出典:NVIDIA公式(会社情報)

この記事を読んでさらに投資を学びたい方はこちらも参考に。

📘 今注目の「投資」関連ベストセラーをチェック!

投資をこれから始めたい方、もう一歩ステップアップしたい方におすすめ。
楽天で話題の投資・お金の本を、レビュー評価順・人気順で一気に比較できます。


▶ 今すぐ人気の投資書籍を見る

※ランキングは毎日更新。レビュー評価・売れ筋順に表示されます。
※本リンクにはアフィリエイト広告が含まれます。

まとめ|NV1の失敗がNVIDIAを強くした

NV1は失敗でした。ですが、ここから標準準拠×高速化の路線へ舵を切れました。

RIVA 128とGeForce 256が続き、今日のAI時代へと接続します。

投資家にとっては、「失敗の活用」こそ長期成長の条件です。

FAQ|NV1に関するよくある質問

NV1はなぜ失敗したのですか?

Direct3Dの三角形標準に非対応で、開発者支援を失いました。QTMは革新的でしたが、市場の大勢に乗れなかったのです。

NV1は今でも入手できますか?

オークションで稀に見つかります。実用性は低く、収集用途が中心です。

失敗はその後の製品に影響しましたか?

はい。RIVA 128で標準準拠へ転換し、GeForce 256でGPUの時代を切り開きました。




ABOUT ME
NVIDIAウォッチ編集部
NVIDIAに特化した最新ニュースと株価分析をお届けするブログ「NVIDIAウォッチ」を運営。AI半導体、GPU、データセンター、業績速報など、投資家とテックファンのための情報を毎週発信中。NVIDIA株の見通しやイベント速報もタイムリーに解説しています。